6月15日からの林拓児展 によせて

2024.06.05  by fumi


林拓児さんの個展まであと10日。

あらためまして林さんのことを紹介したいと思います。

林拓児
1977年 愛知県瀬戸市の製陶所の四代目として生まれる。
2002年 倉敷芸術科学大学 機能物質化学科 卒業
2006年 愛知県立窯業高等技術専門校 修了. 窯元で4年間賃挽きの傍ら制作をはじめる
2010年 瀬戸・上品野に築窯
2016年 岡山県に築窯・移住


私が林さんの作品に出会ったのは12〜3年前。
初めて手に取った5寸の鉢は
貫入に色が入った独特の印象があって
夏は冷奴、冬は煮物など、普段づかいの器として
とても気に入っていたものでした。


その後断続的に常設や企画展、グループ展などでも
紹介をしていましたが、今回初めて個展という形で
林さんの仕事を紹介する機会をいただきました。

林さんの作品は普段来ていただいている方にも
多く取り入れていただいていると感じています。
今回は個展ということで普段見ることができない作品も
紹介できる予定ですので、是非店頭でご覧いただけたら
嬉しく思います。

最後に、林さんのホームページから
林さんの器と人柄があらわれる
印象的な文章を引用します。

—以下 ホームページから

やきものは面白いです。
ずっと昔から様々なものが作られ続けてきて
今もかわらず私たちの生活を支え美しさを感じさせてくれる。
初めはただの土、たくさんの工程を経て、最後は火に委ねる。
素朴でいて不思議です。僕も作りたくなる。

作るときはほとんどの場合、初めに形がうかびます。
その湧き出てきた一つのイメージに自分の生活を重ね、
いくつも試しやっと詰めた一つのものが決まる。

僕のイメージの原点は、時を経た印象深い器たちと、
生まれ育った環境にあります。

古い物や器を手にし見ると腑に落ちます、
それに独創的で新しくゾクゾクと感じます。

自然に馴染むと感じるのは人々がその地の素材を工夫し、
時代に適し変化してきた考え抜かれた
生活の道具だからだと思います。それはとても斬新にも映ります。

僕は陶産地の製陶所の家に生まれ育ちました。
学生の頃時々手伝うのは成形まで。
決められたものを大量に作るのは当時とても苦痛でした。

ただ、ずらっと整列した焼く前の器たちは
単純に美しいと感じたのを覚えています。

今思えば、大量生産の型の仕事は
他の手仕事とは違った視線を僕にくれました。

ゆっくりではなく数を作るリズム、自由でダイナミックな手法は、
制作するうえで常に自分の根底にあります。

ものの価値とはなんでしょう。経験から悩み揺らぎます。
ただ、いまは僕だけができることを考え、尽くしていきたいです。

さまざまな出会いに影響され、新たに生まれてくるものに期待しています。
いつか永く使いこまれた自分のうつわに出会えたらうれしいです。


◎林拓児 作品展
6月15日(土)〜23日(日)
会期中 営業時間 12時〜19時 ※会期中は19日(水)営業いたします

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