河合竜彦 作品展 – chain of curved lines N.1

2025.06.03  by hase

河合竜彦作品展
“chain of curved lines”
最初の週末が終わりました。

河合竜彦さんは
大学でプロダクトデザインを学んだのち
より丁寧な仕事がしたいと陶芸の道を志し
多治見の安藤雅信さんに師事。
独立して5年になります。

2年前の6月に一度入荷があったのみだったので
初めて触れるという方も多いと思いますが
私達も河合さんの仕事に広く触れられることを
とても楽しみにしていました。

代表的なのはレリーフの器ですが
展示の中で、まず目に留まったのは
白と貫入の普段使いの器です。

〇玉縁碗 白Sサイズ

Mサイズ
Sは子供用の飯椀、Mは飯碗サイズ。

玉縁というのは縁にある丸みのある部分のこと。
装飾的な意味合いもありますが
これがあることで、液だれしにくくなったり
口当たりがよかったり
手で持った時に引っかかりになって
持ちやすいという特徴も生まれます。

〇玉縁スープ皿 白

MSサイズ
Sサイズ

浅く横広な形はスープを入れたとき
スプーンですくいやすいような形。
大小あることで家族で使う場面が想像できます。

〇リム皿M 白

約24㎝程度のフラットなプレート。
これ一枚あれば朝昼晩の食卓がまかなえそうです。

土色に白い化粧を施した、
優しい白色が表出しています。


こちらは貫入のタイプ。
マットな質感のやわらかなベージュ色。

〇リム深皿

こちらは深皿タイプ。
なだらかな凹みと幅広のリム
持った時の感触もやさしい感じです。

〇オーバルリム皿LM

細長いかたちのオーバルリム皿。
盛り付けの想像力がふくらみます。

〇オーバルリム皿

S
MS

〇ブランプレートオーバルM


貫入が印象的なフラットなオーバル皿。

〇ドローイングプレート 角LM

河合さんの新たな試みである模様皿。
ドローイングプレートと紹介しています。

身近にある道具を使って線を描き
その上から顔料をかけ拭きとることで
溝に色が入って線が生まれます。

初めて見たとき、洋服のテキスタイルのような
パステルで描いた絵のような佇まいに心を奪われました。

〇角M


〇フラットM


〇丸皿S


河合さんの作品は、持ってみるとわかるのですが
安心感のある重さがあります。
大きさもそれぞれが丁度よく、質感も心地よく
全てのバランスが調和した器だと感じました。

デザインする、ということは
見た目を美しくするということも一つの意味ですが
使う相手のことを思うこと、想像すること
というデザインのもうひとつの姿が
器の中心に存在しています。

それは河合さんが学んできたことを通じて
今の仕事につながっているということに
他ならないのではないでしょうか。

生活の中にあることが想像できる
普段使いの器も魅力のひとつです。

作品をご覧いただけるのも
今展終了後は、あと数年先になると思いますので
思い残すことの無いようご覧ください。

会期は8日まで続きます。

河合竜彦作品展
“chain of curved lines”
5/31-6/8

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