東北 工藝の旅 から 市川里美 またたびのかごとざる

2021.07.02  by hase

2021.7.2
企画”東北 工藝の旅”も二日目。今日も暑い一日でした。
今日は福島・奥会津地方でまたたびのかごやざるを制作している市川里美さんを紹介します。
自生するまたたびの蔓を採取、材料作りを自身の手で行い雪深い冬に様々な暮らしのざるやかごを編んでおられます。


マタタビの材料作りの様子

(福島の奥会津地域は編組品制作の盛んな土地ですが、多くの賞を取られています)

以前、材料取りにも同行させていただきましたが許可をもらって山に入り
急斜面を登って、またたびの状態を見、採取する。
言葉にすれば簡単なものですが、本当に大変な仕事だなと感じました。
市川さんの仕事の特徴は材料づくりの美しさにあると思います。
丁寧にひとつひとつ、またたびのひごを選別しじっくりと編み上げていきます。
今回も企画にあわせてまたたびの暮らしの道具をいろいろご用意いただきました。

米とぎざる(5合までのサイズ)

またたびの米とぎざるは金物のざると比べて、あたりが柔らかいので米を傷つけることなく
保水することができるのが特徴です。
また、野菜の水切りなど他の用途にも使えます。


蕎麦ざる(21.5cm /25cm)
こちらもお探しの方が多いもの。
蕎麦用の平ざるで水切れもよく、これからの季節、重宝するもの。
こちらも、蕎麦以外にも色々使えます。


四つ目(大・小)・六つ目ざる
底が透かしになっていて通気性もよく果物や梅を干したり、
布などの収納にも幅広く使うことができます。

最後に紹介するのはまたたびの手提げ。
毎回好評な市川さんの手提げ。
またたびのひご肌が美しく持ち手が長めで浴衣などにもあわせられます。

また今回届けていただいたものは裏地に会津木綿が使われていて
木綿の優しいテクスチャと、涼やかなまたたびの色がとてもマッチしています。

◎緊急企画 “東北 工藝の旅”
7月1日(木)-7月12日(月)※会期中7月6日(火)休

6月30日から7月5日までの日程で大阪の百貨店うめだ阪急で開催される予定だった催事
“民藝と暮らす”は昨今の状況のため、今年も開催が中止となりました。
コロナウイルスが蔓延し、なかなか思うように身動きも取れない中東北各地の作り手や
協力してくださった方とやりとりを重ね準備を進めてきました。

残念な気持ちもありますが、とにかく前を向き日々を進めていくために
“民藝~”で紹介予定だった東北の作り手の作品・製品の一部を集めて紹介いたします。

それぞれの作り手とのやりとりの過程は
東北における民藝・工藝の現在地を知るための
旅のようだなと感じ、企画名を”東北 工藝の旅”と名付けました。

それぞれ、これから夏に向けて家で外で
活躍するものを揃えました。よろしければ暮らしのなかでご活用下さい。

出展
三温窯/中嶋窯/五十嵐元次
小笠原鋳造所
橋本晶子/市川里美/大西麻理
平岡正弘(6日から)
青森の根曲竹細工とあけび細工/秋田のイタヤ細工/岩手の真竹のかご・ざる

ほか、安比塗漆器工房や星耕硝子の常設品など交えて紹介する予定です。
特設のinstagramでもこれから紹介してまいります→こちら

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