匙屋 さかいあつし/瀟木子 「candy box」 2

2024.12.16  by fumi

今日は大雪の一日。一気に街が真っ白になりました。
そんな中でもお運びいただきありがとうございました。

今日も作品展から。
定番の実から出た匙と、はじめての匙を紹介します。

◎実から出た匙

さかいさんが定番として一番長く製作されているスプーン。
口元と柄の部材、違う樹種を繋ぎ合わせて一本を構成しています。
今回は桜と栗の木を使ったもの。

鉈で割った表情を柄に出し、ひとつひとつ違いのある
意図しない要素を、取り込んだような面白さがあります。

今回紹介しているのは大小二つのサイズ。小さいほうはデザートに
大きいものはメインのスプーンに。

さかいさんのスプーンは料理を仕事にしている方からも支持されていて
弘前市では (北川端町)やポムリ(白銀町)で
デザートや料理などを出す際、内容にあわせて
使っていただいているようです。

拭漆の口当たり良さと構造の楽しさが同居したような作品。

◎はじめての匙
実から出た匙と同じ構造の子ども用の匙。
お食い初めなどで、贈り物にされる方も多いです。

今回、改めてさかいさんとお話ししながら作品を見て
さかいさんのホームページのステイトメントにある
言葉を改めて思い浮かべていました。

— 以下引用
古代アングロサクソン語で木片を指した「spon」は「spoon 」の語源。
「掬う」という居場所を与えられ、やがて創意工夫を誇る品物にまで進化します。
手近な素材と道具を使い、工夫を凝らして日々を過ごしたこの物語は
慌ただしい日々の中で、いつも寄る辺として光を放っています。

匙屋のスプーンは、かの国で育まれた工法や道具に敬意と親近感を持ちつつも
この国の風土に合う材料とこの国の食卓に溶け込む意匠に重きを置いて作られます。

そうして出来上がった物がドングリのような微笑ましさをたたえていたら大成功です。

— 引用おわり

しなやかにユーモアと工夫を忘れず、生き抜いていく。
色々な事が起きて住みにくいと感じることも多い世の中ですが
さかいさんをはじめ、様々な作り手の作品を通して
心が軽やかに楽しくなるような紹介を
この北東北で続けていくことができたらと改めて考えていました。


匙屋 さかいあつし/瀟木子 「candy box」
12月14日(土)-30日(月)
会期中 17日(火)・24日(火)のみ休
※18日(水)店舗は営業いたします

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